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2026/06/08

労働安全衛生法施行後54年。これからの労働災害防止対策とは?

労働安全衛生法施行後54年。これからの労働災害防止対策とは?

1954年から2025年までの労働災害による死傷者数・死亡者数の推移をグラフ化しました。

このグラフから昭和20年代から40年代にかけて毎年5,000~6,000人の尊い命が労働災害で失われていたものが、昭和47年の労働安全衛生法の施行後、死亡災害・死傷災害共に大幅に減少していることが分かります。その一方、平成18年にリスクアセスメント指針が出された後、平成21年から休業4日以上の死傷災害は毎年増加していることが分かります。

ここで、労働災害減少に大く寄与している労働安全衛生法(以下安衛法)の主だった法改正のポイントについて確認してみましょう。

法制定・改正 法制定・改正の主なポイント
昭和47年
安衛法制定
  1. 事業者に労災防止の措置を講じるあることを明確にした。
  2. 危害防止基準を具体的に明確化した。
  3. 機械等に関する規制(認可・検査)を強化した。
  4. 有害物の規制を強化した。
  5. 安全衛生教育(雇入時教育他)の実施を規定化した。
  6. 一定の場合に事業者に労働者の健康診断の実施を義務付けたこと。
  7. 建設業の労災防止のために元方事業者が講じる具体的な措置を定めた。 ~等、
    「労働安全衛生に関する基本構想」が労働省から中央労働基準審議会に対し諮問が行われ昭和47年2月に国会に法律案が提出され、衆議院・参議院で全会一致で法案が可決された。新法は6月8日に公布された。
昭和63年
安衛法改正
  1. 中小規模事業場ごとに安全衛生推進者等を選任するよう定めた。
  2. 安全管理者に対する能力向上教育を努力義務とした。
  3. 労働者(高年齢労働者等)の健康の保持増進を図るため必要な措置を計画的に講じることを努力義務とした。 ~等
平成11年
安衛法改正
  1. 労働者に健康障害を生じる恐れのある物(化学物質)を提供する者は、一般消費者の生活に供せられる場合を除き文書の交付などにより、名称・成分・人体に及ぼす作用等の事項を提供する相手に通知することが義務付けられた。
  2. 労働大臣が労働者の健康障害を生じる恐れのある化学物質等による労働者の健康障害を防止するための事者が講ずべき措置の指針を公表し、指針に基づき事業者に対し必要な指導だできるようにした。 ~等
平成17年
安衛法改正
  1. 建設物、設備、作業等の危険性又は有害性等を調査し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるように努めなければならないこととした。
  2. 製造業等の事業の元方事業者は、労働者及び関係請負人の労働者が同一の場所で作業する場合の労災防止のための連絡及び調整など必要な措置を講じなければならないこととした。~等
平成26年
安衛法改正
  1. 安衛法第57条第一項に規定する化学物質等の危険性又は有害性等を調査しなければならないこととした。
  2. 厚生労働大臣は重大な労働災害が発生した場合に、再発防止に必要な場合に該当すると認めた場合に事業者に対し改善計画を作成し提出するよう指示ができるようにした。~等

~以上が安衛法の主な法改正の経緯となります。直近の法改正(令和7~8年)については、7月16日(木)の後藤博俊コンサルタント講演「改正労働安全衛生法への対応上の留意点」をご聴講願います。

上述の通り、法改正に従い各事業者が労働災害防止措置を講じることにより、労働災害は 減少してきました。

しかしながら、死亡災害は根絶することなく発生し続けており、休業4日以上の死傷災害は平成21年から増加し続けています。

このような状況下、日本労働安全衛生コンサルタント会東京支部には、日々、様々な業種の事業者様から、安全衛生お取り組みに関するご相談が数多く寄せられています。

その「現場安全衛生担当者様の声」の幾つかを以下に紹介させていただきます。

労働災害防止に取り組む、現場第一線の安全衛生担当者様の‟声“
  • 長年自社で労災防止に取り組んでいるが、「自己流」に陥っていないか不安。第三者(労働安全衛生コンサルタント)の視点から要改善点があれば指摘してもらいたい。
  • 自社業務を行う上で違法な点がないか診断して欲しい。例えば「トラックに100kg以上の荷を積み卸しする場合に作業指揮者の選任が必要」~など、知らないことが多い。
  • 化学物質では「自律的な管理」を行うことが求められる。法改正が続き管理対象となる化学物質も674から2,900種類に増える中、適正な管理手法を指導してもらいたい。
  • リスクアセスメントが形だけのものとなっている。実効性のあるリスクアセスメントを行うことができるように現場担当者に指導してもらいたい。
  • 従業員の安全に対する意識が低い。会社の安全衛生取り組みに対する協力も十分に得られない。従業員に意識改革及び行動変容を生じさせる取り組み提案をしてもらいたい。
  • 自社の作業実態に合った職長教育を行ってもらいたい。安全大会で心に響く安全衛生に  関するっ講話を行ってもらいたい。
  • 特別安全衛生改善計画の作成指示を労働基準監督署から受けた。支援してもらいたい。

このようなご要望の一つひとつに、私ども労働安全衛生コンサルタントは、「現場目線」にに立ちながら、安全衛生の専門家として、都度全力で対応させていただいております。

7月17日(金)の私の講演では、「労働安全衛生法施行から54年。私達は何を行って   きたのか?その問題点は?では、どうすれば良いのか?」お話しでればと思っております。お忙しい中と存じますが、皆さまのご来場を楽しみにお待ちしております。

筆者情報

一般社団法人日本労働安全衛生コンサルタント会東京支部
副支部長・事務局長・広報委員長

室町正博 氏

大手物流企業に30年以上勤務。現業箇所勤務後、本社安全管理統括部署で 全社安全施策の策定、全国現業店への訪問安全指導等を実施した。その間、物流業界初のISO9002,ISO14000の認証取得、大手自動車部品メーカーと共同で世界初のトレーラブレーキ温度監視システムの開発等に携わった。
また、建設荷役車両安全技術協会運営幹事・広報委員、 日本産業車両協会 JIS規格制定委員、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)評価委員会委員、 国土交通省低炭素化促進事業(CNG大型車開発)評価委員等も務め、同社退職後、労働安全コンサルタントとして、厚労省他関連機関と連携しながら様々な業種の企業の安全管理支援、安全衛生診断・指導を実施。各教育機関の講師として数千名の受講生への安全関連種講習も行っている。
大手物流企業に30年以上勤務。現業箇所勤務後、本社安全管理統括部署で 全社安全施策の策定、全国現業店への訪問安全指導等を実施した。その間、物流業界初のISO9002,ISO14000の認証取得、大手自動車部品メーカーと共同で世界初のトレーラブレーキ温度監視システムの開発等に携わった。
また、建設荷役車両安全技術協会運営幹事・広報委員、 日本産業車両協会 JIS規格制定委員、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)評価委員会委員、 国土交通省低炭素化促進事業(CNG大型車開発)評価委員等も務め、同社退職後、労働安全コンサルタントとして、厚労省他関連機関と連携しながら様々な業種の企業の安全管理支援、安全衛生診断・指導を実施。各教育機関の講師として数千名の受講生への安全関連種講習も行っている。

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